県立図書館に行ってみた。
最近、県立図書館が移転したらしいのです。なんでも那覇OPAとかいう高貴なデパートの中にあるそうで、私には敷居の高いようにも感じて、行くべきかどうかとベッドにうずくまりながら考えていました。ツイッターをダラダラとスクロールして、最新のツイートに辿り着くとまた下にスワイプすること6,7回。これではいけないと思い立ち、毛布を体からむりやりはがしました。しかしなんだか頭が重い。頭の毛細血管がはち切れんばかりにドクドクと鼓動し、脳が膨れ上がったように重い。さらにうちの猫も来たかと思えば、ひょいとベッドに飛び乗ってにゃあと眠りに誘ってきました。
「ああ...寝てしまいたい」
午前7時過ぎ。まだまだ朝日は顔を見せたばかりです。でも私は無駄な意地と決意で奮い立ち、県立図書館に行くことにしました。
母の仕事ついでに送ってもらった先は大きなビル。そこは那覇でありながらもう、私の知らぬ土地でした。そびえたつビル群が襲いかかるように私を見ています。若干萎縮しつつも、背中のリュックサックを勢いよく背負い直して、いざ!那覇OPAへと向かいました。階段を上がるとそこには大きな玄関口と案内の文字がありました。
「県立図書館」の文字を見つけたらこっちのもんです。ここは私の縄張りだと言わんばかりに意気揚々と入ったのですが、そこはまだエントランス。挙動不審になりながら案内板で現在地を確認します。右手にあるエスカレーターで3階へ昇るとついに目的地「県立図書館」。慣れない場所では何をしても神経がすり減ってしまいますね。入った先には予想を超える大きさの図書館がありました。この県立図書館は、
3階:児童用図書、貸出・返却・各種申請受付
4階:一般図書☜ここに主な図書(私の目的)
5階:郷土資料室
このように階ごとの役割があり、一般的に求める文庫本や参考書、専門書などは4階に蔵書されていました。あまりに大きいので結局中でも挙動不審に暗中模索していました。まあ、次第に慣れると、本を探すのに夢中になっていましたが。朝早くから来ていたので初めのうちは私含め少人数が本を眺めたり、座って勉強をしていたのですが、11時頃には多くの人で静寂の中に賑わいをみせていました。多くの個人用勉強机は満員御礼。長机にも多くの人が座り、本を探す中ですれ違う人の数も増えました。しかし、多くの人が同じ空間にいながら自分の世界に浸かり、本を探しているという少し不思議で奇妙な空間ができる図書館は、私にとっては居心地のいい場所なのでした。何度も本棚を練り歩いて目星をつけていて突然、はっと気が付きました。
「カード作ってない」
当たり前ですが、本の貸出にはカードが必要です。初めての県立図書館なので、新規登録をしなければなりません。しかし、新規登録の仕方が分からない。なんとなく本を探しているか、館内を探検しているように見せかけながら、方法についてどこかに書いていないかと見て回りましたが、結局よく分からず、サービスカウンターに行くことに。
「あの...」お得意のコミュ障を発揮します。
「はい。なんでしょう」
「...カード、をまだ作ってないのですが」
「ああ!まだ作られてないのですね」
皆さんは"初"県立図書館の時には必ず、すぐにカードを作りましょう。
「それなら3階の受付で申請書を記入して頂ければ大丈夫ですよ」
どうも、と言われた通りに3階へ降りて受付に行ってみる。
「新規登録をしたいのですが」
受付のお姉さんは手際よく登録をしてくれて、ことができました。
カードを受け取り、やっとこさ貸出です。目星をつけていた本を数冊3階へと持って行き、自動貸出機で作業を行おうとしました。
「あれ?」
進めていくと、座席が空いている場所を示していただきました。よく見るとこれは貸出機ではないみたいです。ちらっと前後左右を確認して、貸出機を探します。右斜めにありました。何事も無かったように本を移して作業をしようとしましたが、今度は書いてある内容に怯んでしまいました。
貸出機のすぐ前に
「貸出する本を置いてください」
と書かれた板があったのです。
「置いてくださいってなんだ...」
てっきりバーコードで読み取るものだと想像していたのですが、とりあえずカードを読み込みます。どうやら1冊ずつ置いていく訳でもないみたいです。
「重さでも測るのだろうか」
と考えながら本を全て乗せ、疑心暗鬼になりながら貸出ボタンを押しました。すると、
「貸出図書は以下の通りでよろしいでしょうか?」
という表記の下に私が借りる本が"全て"表示されていたのです!
「!?」
板にのせただけで貸出作業は終わってしまいました。頭の中はクエスチョンマークの嵐。なんですかこの機能。板に本を全部のせたんですよ。あの板は一体なんなんだ...
とりあえず本を無事借りることができました。県立図書館の大きさや施設には圧倒されてしまいましたが、近くに図書館があるのは良いものです。
帰りはリュックサックの重さに肩が悲鳴をあげていました。次は車でも使おうかと思います。