与那原屋というそば屋があったんだ...

久しぶりに思い出したので、俺が今までの人生で1番好きだったそば屋の話をしようと思う。

 

与那原屋Ⅱ

 

奥武山公園の向かい、最強食堂のとなりにあった沖縄そばの店。いつからかはもう覚えてないけれど知ってからは何かあれば食べに行ってた。どこか連れていってくれると言われたら迷わずそこにしたし、毎日食べたいと思ってた。そのぐらい好きだった。

 

店に入るとテーブルか掘りごたつか選べて、俺はいつも掘りごたつにしていた。席に着いて母が何にしようか悩んでいる時には、もう自分が何を食べるかは決まってる。というかこの店に来るなら俺は沖縄そばしか選ばない。

この沖縄そばに本当に惚れ込んでいた。これから先、何年経っても一番好きだと思う。

こってりとあっさりがあったけど、結局いつも選ぶのはこってりだった。こってりってのは豚骨ラーメンのスープをイメージしてくれれば、大体合ってると思う。

 

豚をじっくりじっくり煮込んで作られたスープ。ソーキだと思うが、豚肉は軟骨までとろとろに溶けて、口に入れればほろほろと崩れてしまうくらい柔らかくて、喉の奥まで旨みが広がる。麺は普通の沖縄そばで使われる茹で麺じゃなくて、コシのある生麺。麺もどちらか選べるんだけど、俺は生麺しか選ばなかった。

結局、このそばに入ってるのって

・スープ

・肉

・麺

あとねぎくらいなんだよね。シンプル。

これが俺にとって最強の布陣。

至高。

大盛りにすると贅沢なくらい大きくて、このシンプルさをそのまま「どん!」とでっかくしたみたいな、そんな感じ。

1回すすったら食べ終わるまで気づかないくらい夢中になってた。脳の中に幸せが直接流れてくるみたいになってた。ほとんど麻薬。

スープの底に麺が残ってるかもしれないから一滴も残さずに飲み切ってた。食べ終わるとほんとに幸せで溢れて、来てよかったと毎回思ってた。その日は寝るまでそばのことを考えて、次はいつ行けるかと楽しみに眠りにつく。

そんな店だった。そんなそばだった。

書いてたらほんとに食いたくなったな。

 

もうないんだけどね。

 

去年無くなっちゃって、今は居酒屋になってる。音楽もなってすごい賑やかなんだけど、見てると「あー、もう無いんだな」と思って少し寂しい。

 

この店は2号店みたいで、本店はその名の通り与那原にあるらしい。本店の方には1度も足を運んだことがないんだけど、暇があったら行ってみたいな。